2011-01-01から1年間の記事一覧

放射線癌死の年齢依存性のグラフ(ゴフマン博士による)

*要請がありましたので、放射線癌死の年齢依存のグラフを掲載します(右端の数字が切れていますが、「49」です)。「1万人・Sv(シーベルト)」は、1万人が1Svずつ被曝したら、という場合ですが、全員で1万人なのにその数を超える部分があります。これは多…

山菜の移行係数について

一般的に山菜もセシウム137の移行係数が高いといわれますが、根拠はあるのか調べてみました。北里大学 獣医畜産学部・川上顕氏の論文(1997年)が国内論文としては唯一扱っていましたので、当該論文において、 採集した試料のうち50%が当てはまる移行係数を…

11/9現在の魚の汚染調査

11/9現在の魚の汚染調査は、厚生労働省の下記のページの http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001upb1.html1 自治体が公表した放射性物質の検査結果のPDFファイルに載っています(魚類だけでなく検査を実施した肉類・野菜類・果実類 も載っています…

(再掲)内部被曝に関して・移行係数とは?

*「移行係数」に関して、再度の解説の要請がありましたので、キノコの移行係数の出典も加え、再掲します。「移行係数」とは、土壌中の放射性物質がどの程度作物に取り込まれるか、を数字で表したものです。 もちろんこのような研究は、従来の日本国内ではほ…

年間被曝量1ミリシーベルト以上は除染=基本方針を閣議決定

時事通信 11月11日(金)8時20分配信政府は11日、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染に関する基本方針を閣議決定した。年間被曝線量が 1ミリシーベルト以上の地域を除染対象地域に指定。放射性物質汚染対処特別措置法が施行される来年1月から、汚…

ヨウ素剤の摂取量について

今後福島第一原発において重大な事態が起こり、手元にヨウ素剤があったとして、どの程度の 量を服用する(または子どもに服用させる)のがよいのでしょうか。原子力災害時のヨウ化カリウム(筆者が購入したのはヨウ化カリウム剤です)推奨摂取量はWHO が定め…

こじつけではありませんか? 枝野さん

2011年11月8日(昨日ですね) 衆議院予算委員会にての答弁自民党・村上氏(質問者):どうしてあのような発言をされたんですか枝野:お答え申し上げます。わたくしはあの〜、3/11からの最初の二週間で39回記者会見を行っておりますが、 そのうち「直ちに人体…

意外な伏兵・スギ花粉のこと

来年のスギ花粉の飛散量は今年の飛散量の約1/7程度になるようです。しかし、放射性物質による 土壌汚染の、スギ花粉への移行データは存在せず、スギ花粉症用マスクを着用すれば呼吸器への 吸い込みは防げるとはいえ、気になるので調べてみました(移行につい…

11/2の福島第一原子力発電所2号機臨界から・被曝から身を守る方法(在宅編・続き「ヨウ素剤について」)

先の記事内に紹介した故・瀬尾健氏の書かれた7項目のうち2番目に、「ヨウ素剤」 (安定ヨウ素剤)が出てきますが、個人での入手法について触れずじまいでした。「安定ヨウ素剤」で検索すると有象無象含めて結果が出てきますが、筆者が購入したのはこちらです…

11/2の福島第一原子力発電所2号機臨界から・被曝から身を守る方法(在宅編・長文です)

*だんだん「放射能や被曝の基礎」というテーマからそれてきている気がします。 そちらの内容をご覧になりたい方は、「記事一覧」に表示を切り替えると、かなり 早い時期に書いた記事がそれらに触れています。 臨界とは、核分裂反応が連続する現象のことです…

参考図書について・『自分と子どもを放射能から守るには』を例に

ベラルーシにあるベルラド放射能安全研究所のウラジーミル・バベンコ副所長による、 2003年にベラルーシで出版された一般向けの著書『自分と子どもを放射能から守るには』 の日本語翻訳版が出版されたので読んでみました。長らくチェルノブイリ原発事故によ…

内部被曝について・風評被害というけれど

まず、以下の新聞記事を読んでください。 (以下引用)福島県、農家にコメ廃棄を勧告●避難準備区域で収穫原発事故により緊急時避難準備区域に指定された地域でコメを作付け・収穫したと して、県は28日、田村市都路町の農業の男性(58)に対し、収穫したコメ…

内部被曝について・食品選びに疲れたときは

食品について、日々気を配り、少しでも安全な食物を探すのは結構神経と 時間を使います。今後も汚染は長く続くので、疲れたときは休んでおき ましょう。これは何も考えずに食品を選ぶのではなく、一日くらいは体と心を休め、 また次の日から注意しよう、とい…

輸入食品の放射性物質検査はどうなっているのか(続き・旧ソ連編)

もう少し早く気づくべきでしたが、7/28付けで以下のような通達(?) が出されていました。「旧ソ連原子力発電所事故に係る輸入食品の監視指導について」 http://www.jfta-or.jp/wordpK/wp-content/uploads/2011/07/110728_sankou.pdf (PDFファイルです)読…

これから気をつけるべきこと・放射性物質の濃縮

「これから気をつけるべきこと」といっても、原発事故はまだ収束していませんので、 原発関連のニュースに気を配りつつ、ということになるかと思います。気をつけるべきこととしては、食品を通しての内部被曝と、放射性物質の濃縮問題、 ということになるで…

線量計の使い方

筆者は複数の社の、食品用放射性物質検出器のデモを見学しています。まとも な会社であれば(それこそ2011年から測定器市場に参入したような会社を除く)、 食品用だけでなく空間用の線量計、いわゆるガイガーカウンターやシンチレー ションカウンターと呼ば…

内部被曝に関して・食品を選ぶ際の線引きの一例

まず、思い出せる限りで構いませんので、一週間自宅で何を食べたかを書き出してください。 その中で、比較的量を多く摂取しているもの、つまり主食と呼べるものについては、汚染度 の低いものに切り替えるだけでも違ってきます。ウクライナ・ジトーミル州ナ…

文部科学省による航空機モニタリングデータの読み方

徐々にではありますが、文部科学省による航空機モニタリングの結果が公表されています。 そのモニタリングについて、新潟県知事が「天然放射線を計算に入れていない」と抗議し ました。これには一理あり、文部科学省による航空機モニタリングの結果は、天然…

輸入食品の放射性物質検査はどうなっているのか(長めの記事です)

輸入食品の放射性物質検査については、東京都は昨年度まで、国による検疫での 測定に、自主的に上乗せして測定していました。昨年度までの、東京都の輸入食品の放射性物質の検査方法は、まずNaIシンチレータ検出器で測定し、50Bq/kg以下であればND(不検出)…

原発由来の放射性物質となぜわかる?

千葉県柏市の市有地から高い数値の放射線が検出された件で、文部科学省は「福島第一原発由来の可能性がある」と調査する意向を示しました。なぜ原発由来とわかるのでしょうか。土壌中から、セシウム134が検出されたためです。セシウム134は、生成過程が原発…

内部被曝に関して・移行係数とは?

「移行係数」とは、土壌中の放射性物質がどの程度作物に 取り込まれるか、を数字で表したものです。 もちろんこのような研究は、従来の日本国内ではほとんど されてきていませんから、海外の文献から引用することに なります。食習慣も違いますので、コメの…

内部被曝の場合の放射性物質の終着点

内部被曝した場合、体内に取り込んだ放射性物質が体内のどの部分に 行き着くかは、放射性物質ごとに違います。主なものは以下の通りです。セシウム(134、137とも)・・筋肉、特に心筋ストロンチウム90・・骨ヨウ素131・・甲状腺 ここで注意すべきは、各放射…

内部被曝に関して・生体濃縮とは?

生体濃縮(生物濃縮ともいいます)は、ある物質が食物連鎖により生物の 体内で濃縮されていく現象です。過去の例としては水俣病が挙げられます。メチル水銀を含んだ工場廃液を そのまま海に排出したため、汚染されたプランクトン→プランクトンを 食べる小魚→…

内部被曝の程度を知ることは可能か

内部被曝の検査方法としては、ホールボディカウンター、バイオアッセイ(尿検査) が挙げられます。しかし、両方ともガンマ線を放出する放射性物質しか検出できません。別記事にも 書きましたが、ガンマ線が最も透過性が高く、人体まで通過するので検出しや…

内部被曝に作用する薬はあるのか

内部被曝に作用する薬としては、ヨウ素131に対する安定ヨウ素剤が よく知られています。ただ、これは予防薬であり、放射性物質である ヨウ素131を体内に取り込む前に服用しなければならず、取り込んで しまってからは効果はありません。セシウム134、137につ…

「生物学的半減期」とは?

「内部被曝の程度を知ることは可能か」の記事中、バイオアッセイ(尿検査) について触れました。尿中に体内の放射性物質の一部が排出されるため このような検査ができるのですが、人体が放射性物質を体内に取り込んでから 排出されるまでを「生物学的半減期…

マスクは放射性物質を通さない?

ここでいう「マスク」は、花粉症の人がつけるマスクを念頭においています。まず、スギ花粉の大きさがだいたい20から40マイクロメートル(1マイクロ メートル=0.001ミリメートルです)、それに対し気体として飛散した放射 性物質は0.01から1マイクロメートル…

天然放射線は常に安全なのか

天然放射線と比較して云々、という専門家(らしい)がいます。 確かに山口県の地質は花崗岩で放射線を出していますし(だいたい 0.22uSv/h)、もっと身近なところでは、バナナに含まれるカリウム が挙げられます。カリウムが怖いからといってまったく摂取し…

なぜ子どもを放射線から守らなければならないか

なぜ子どもを放射線から守らなければならないか。 答えは簡単です。放射線は(特に内部被曝の場合) 細胞を傷つけ、成長途中の子どもは細胞分裂も活発 ですから、傷ついた細胞が分裂して突然変異を起こす 可能性がはるかに高いからです。キャベツ→ブロッコリ…