輸入食品の放射性物質検査はどうなっているのか(長めの記事です)

輸入食品の放射性物質検査については、東京都は昨年度まで、国による検疫での
測定に、自主的に上乗せして測定していました。

昨年度までの、東京都の輸入食品の放射性物質の検査方法は、

まずNaIシンチレータ検出器で測定し、50Bq/kg以下であればND(不検出)とする。
50Bq/kgを超えたら、ゲルマニウム半導体検出器で正確に定量する。

というものです。ところが、

(以下引用)

都が輸入食品の放射能検査中断 国産と異なる基準懸念

2011年9月30日 asahi.com

東京都が、1986年のチェルノブイリ原発事故以来続けてきた輸入食品の放射能検査
を今年度から中断している。理由は、東京電力福島第一原発事故で決まった国内産
食品の放射性物質の基準が、輸入品の基準と異なるためだという。
(中略)
国は原発事故の後、国内産の肉や野菜などの放射性セシウムの暫定基準値を1kg当り
500ベクレルとした。一方、輸入食品の基準値は370ベクレルと定められてきた。
「両方の基準の間の輸入食品が見つかった場合の対処に困る」(都の担当部署)。
400ベクレルの食品が出た場合、国内産なら流通可能だが、輸入品だと回収になり、
消費者の混乱を招く恐れがあると考えたという。

(引用終わり)

東京都の自主的な検査は今年度より中断したままです。
では国の検疫での輸入食品の放射性物質の測定はどうなっているでしょうか。


財団法人高度情報科学技術研究機構より引用

輸入食品中の放射能の濃度限度 (09-01-04-07)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-04-07

(3.及び4.より)
輸入食品中の放射能濃度の暫定限度を134Cs(注:セシウム134のことです)
および137Cs(注:セシウム137のことです)の濃度として370Bq/kg以下と
した(1986年11月)。わが国に輸入される食品は、まず検疫所において
シンチレーションサーベイメータを用いて、放射能の有無を検査される。
その検査の結果、暫定基準値を越えるとみられるものは、国立医薬品食品衛生
研究所(旧・国立衛生試験所)に送付され、NaIシンチレーション検出器、さらに
ゲルマニウム半導体検出器で測定を行っている。

とのことで、かつての東京都のように50Bq/kgを超えたら再測定、まではして
いません。

今のところ国による検疫での輸入食品の放射性物質の測定は370Bq/kgを基準と
していますが、これもいつまで続くかわかりません。国内の暫定基準値に合わせて
緩和される可能性もあります。厚生労働省のHPその他を適宜参照して、情報収集に
努めていきます。