内部被曝について・風評被害というけれど

まず、以下の新聞記事を読んでください。
(以下引用)

福島県、農家にコメ廃棄を勧告

●避難準備区域で収穫

原発事故により緊急時避難準備区域に指定された地域でコメを作付け・収穫したと
して、県は28日、田村市都路町の農業の男性(58)に対し、収穫したコメを廃棄す
るよう食糧法に基づいて勧告した。男性は応じない意向を示した。

警戒区域計画的避難区域、緊急時避難準備区域(9月30日に解除)について、国は
原子力災害特別措置法に基づき、コメの作付け制限を課した。男性は、緊急時避難
準備区域内の水田約120アールにコシヒカリを作付けし、すでに約1.8トンを収穫した。

食糧法では、作付け制限区域内で収穫されたコメは廃棄しなければならない。勧告
に対し、男性は県に「作るのは勝手。作ったコメは販売したい」などと話したという。

県によると、今年、作付け制限区域内で作付けした農家は12軒あったが、男性方以外
の11軒は県の指導に応じ、収穫した米を廃棄したり、研究試験用に譲渡したりしたと
いう。

県は「作付け制限地域内にこのようなコメがあると消費者が知れば、不安や混乱を招く
恐れがある。そうした影響を考えてほしい」としている。

(2011年10月29日 読売新聞)

(引用終わり)

もしこのまま収穫されたコメが出荷されれば、これは「風評被害」ではなく「実害」になり
ます。わずか1軒の農家の実態でも、敢えて買おう、という人はいないはずです。

かつてチェルノブイリ事故が起こった際、ロシアではなくドイツでも産地偽装があったと
聞いています。このコメも、もし熊本県産にしたら買ってもらえるかもしれません。そのよ
うな事態を恐れ、消費者が外米に切り替えたり、米食をあきらめてパスタやパン食にする可
能性も大いにあります。

これからも、このような小さなニュースでも取り上げ、どのような食品を選べばよいか、問
題提起していくつもりです。