核なき世界実現目指す セミパラチンスク閉鎖25年 カザフ軍縮会議

(08/29 16:22 時事通信配信)

【アスタナ】旧ソ連セミパラチンスク核実験場が閉鎖されてから25年となるのを記念して、核実験の
後遺症に今も苦しむカザフスタンで29日、「核兵器のない世界の構築」を目指す核軍縮国際会議が開か
れた。各国代表の協議後、宣言を採択して閉幕する。1月に4回目の核実験を行い「水爆の実験だ」と主張
している北朝鮮をはじめ、核兵器への依存をやめない国々に対し、核実験被害国から強い異議を突き付ける。

首都アスタナの「独立宮殿」で開かれた会議は、世界各国の議員が参加する「核軍縮・不拡散議員連盟
(PNND)」がカザフ上院などと共催。カザフのナザルバエフ大統領が開幕演説を行い、「核兵器を使って
戦争に勝つことは幻想だ。使えば、世界が払う代償は計り知れない。しかも、次の世代まで払い続ける。
21世紀の選択ではない」と強調。核兵器の被害国である日本について繰り返し言及し、連帯して声を上げ
続ける重要性を訴えた。

日本からは政府代表として滝沢求外務政務官が出席し、「日本もカザフも被爆の実相を知っている。ぜひ
広島・長崎にも足を運んでいただきたい」と各国代表に呼び掛けた。カザフと同じ核実験被害国である太平
洋のマーシャル諸島も国会議長が核兵器廃絶を訴え、米国や欧州連合EU)加盟各国、さらに中南米や中東
からも代表が参加した。
この日に合わせ、国連の潘基文事務総長は声明を出し「包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を全世界
に呼び掛ける。これによって『核兵器のない世界』へ一歩近づける」と各国に訴えた。