内部被曝に関して・食品を選ぶ際の線引きの一例

まず、思い出せる限りで構いませんので、一週間自宅で何を食べたかを書き出してください。
その中で、比較的量を多く摂取しているもの、つまり主食と呼べるものについては、汚染度
の低いものに切り替えるだけでも違ってきます。

ウクライナ・ジトーミル州ナロジチ地区はチェルノブイリ原発から約70kmの農村地帯です
が、ここでは自給自足の生活を送っているうえ、主食はキノコ、そして献立は毎日ほぼ同じ
です(ちなみに、飼育している豚の餌もキノコです)。「移行係数とは」の記事中のコメン
トにも書きましたが、キノコの移行係数の平均値は、15、9.3等と論文上で報告されています
(社団法人日本土壌肥料学会のサイトの原発事故関連情報(6)のページ。この平均値の
違いは、キノコの種類や生育条件によるものと思われます)。そのため、チェルノブイリ
事故から25年経っても、事故後に生まれた子どもたちでさえ、かなりの内部被曝量となって
います。

余談ですが、「筆者さん宅は1ベクレルの摂取も許せない感じ?」と言われることがあります。
そのたびに「今なんとかなっているのは偶然です」と答えています。何しろ4月の始めくらい
に筆者の祖母(86歳)が突然電話をかけてきて、「あんた、枝野だか豚野だか知らないけど、
あんなのの言うこと鵜呑みにしてないでしょうね」と言うので、「してないよ」と答えたら、
「とにかく米と乾物を買っておきなさい」と指示されたのです。「米だったら別にカリフォル
ニア米でもいいんだけどな(食べていたことがあるので)」と思いながら買って、後から
「ダテに戦争を生き延びてきたわけじゃないな、助かった」と実感しました。

*この記事中、ウクライナ・ジトーミル州ナロジチ地区の現状については、「内部被曝に迫る・ 
チェルノブイリからの報告」を参考にいたしました。