11/2の福島第一原子力発電所2号機臨界から・被曝から身を守る方法(在宅編・長文です)

*だんだん「放射能や被曝の基礎」というテーマからそれてきている気がします。
 そちらの内容をご覧になりたい方は、「記事一覧」に表示を切り替えると、かなり
 早い時期に書いた記事がそれらに触れています。


臨界とは、核分裂反応が連続する現象のことです。半減期の短い放射性キセノン
が検出されるため臨界とわかります。

筆者はいつも早めに起きますが、起きたてはまだぼんやりしているのでネット
でニュースを一通り見てから朝食やお弁当の準備にかかります。ところが11/2の
朝はニュースのヘッドラインを見たとたん眠気が吹っ飛び、急いでTVをつけた
ところNHKでは暢気に(?)ギリシャの経済状況のニュースを続けていたので、
NHKに文句を言いつつ準備をしました(後でわかったのですが、一番早かったのが
共同通信web、次が筆者の見たasahi.comの配信だったようです)。

ともあれ、今回はほとんどの方が在宅しているであろう時間帯に臨界が起こった
わけです。何回も書いているように、まだ収束にはほど遠い状態なので、在宅時
に何か起きた場合について、孫引きになりますが、故・瀬尾健氏の書かれた7つの
対策を挙げてみます(出典は京都大学原子炉実験所・小出裕章氏の『原発のウソ』
です)。

1. 窓を閉め、隙間を目張りして家屋を気密にする。ビルなどの空調は
止める。日本様式の家屋は気密性が悪いので、その場合はできるだ
け気密の良い家屋に避難させてもらう。

2. ヨウ素剤を早めに服用する(小出注:これは政府が配布しないと無
理です)→備蓄していない自治体もありそうなので、筆者は自分で
購入しました

3. 放射能雲(筆者注:「プルーム」という表現をする方もいます)に
巻き込まれている間とその後しばらくは、屋内でも何枚も重ねた濡
れタオルをマスクにして、直接空気を吸わないようにする。できる
だけ家屋の奥、つまり外部と一つでも多く壁で隔てられているよう
な場所を選んで、集まる方がよい。二階よりも一階、一階よりも地
下室があればもっと良い。窓のそばに長くいるのは禁物である。

4. ありとあらゆる容器に飲用水を溜める。風呂を洗って水で満タンに
し、すべてに蓋をきちんとする。これらは当座の飲用水である。保
存食をできるだけ多く確保する。

5. 放射能雲に巻き込まれている間は外出を控える。もしどうしても外
出する必要が生じた場合は、健康で丈夫な成人(それも40歳以上)
に用件を託す。(中略)帰宅の際は衣服を着替えて脱いだものは屋
外に廃棄する。

6. 放射能雲が到着した後は井戸水はもちろん水道の水も飲まない方が
よい。

7. 雨や雪が降っている場合は特別の注意が必要である。浮遊している
放射能微粒子は雨や雪にくっつきやすく、雨粒や雪には上空から地
上まで広い範囲の放射能が濃縮されているからである。雪が積もっ
た場合は、それが融けるまで放射能はそのままの状態で固定されて
いるが、雨の場合も雪の場合も、降らない場合に比べて何十倍も地
面汚染が強いと考えておかねばならない。雨には濡れないこと、衣
服に付いた雪は払うこと、水溜まりには近づかないことなどの注意
が必要である。

これらの対策が一部でも取られたのは、2011年9月12日(現地時間)に
起きたフランス・マルクール廃棄燃料処理工場の事故でした。ちょうど
お昼どきでしたが、近隣の小学校では鉄筋コンクリートの部屋に子ども
たちを集めて窓の目張りをし、飲料水や簡単な食料もそこに集めたそう
です。何よりも、そのような事故を想定した訓練を普段から行っている
とのこと。原子力大国であるからとはいえ、危機管理能力の違いだろう
かと考えずにいられませんでした。