原子力機構理事長に松浦氏 旧原研出身、元安全委員長 もんじゅで引責の鈴木氏後任

(5/31 10:30 時事通信配信)

政府は31日の閣議で、高速増殖炉もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れ放置の責任を取って
辞任した日本原子力研究開発機構の鈴木篤之前理事長の後任に、松浦祥次郎・元原子力安全委員会
委員長(77)を充てる人事を了承した。発令は6月3日付。

下村博文文部科学相閣議後の会見で、「信頼される組織への改革が求められる中、経営能力に加え、
安全規制分野でも高い見識を持っており、安全文化の劣化が指摘されている機構の改革に最もふさわ
しい」と起用の理由を述べた。

松浦氏は京都府出身。京都大卒業後、同大原子力核工学教室助手を経て1961年、原子力機構前身の
日本原子力研究所(原研)に入所。98年11月から2000年3月まで原研理事長を務めた。

同年4月から内閣府原子力安全委員会(当時)の委員長に就任。6年間の在任中、東京電力原発トラ
ブル隠しなどへの対応や、原発の耐震設計審査指針の改定作業を進めた。