規制委判断に戦々恐々 「活断層」で原発動かず 電力各社

(2012-12-26 19:58 時事通信配信)

原発を抱える電力各社は、原子力規制委員会の専門家調査団の判断に戦々恐々としている。日本
原子力発電敦賀原発福井県敦賀市)に続き、東北電力東通原発青森県東通村)でも調査団が
従来の見解を覆し、敷地内に活断層があると判断する展開となっているためだ。活断層となれば
原発の再稼働先送りや廃炉を迫られる。

調査団は26日の評価会合で東通原発敷地内の亀裂(破砕帯)について、活断層でないとする東北電
の主張を「可能性を否定するまで至っていない」と一蹴。東北電の梅田健夫副社長は会合終了後に
「データを基に活断層ではないと示した。軽々に結論を出す必要はないと思う」と無念さをにじま
せ、追加調査を続ける意向を示した。

調査団による大飯原発福井県おおい町)の追加現地調査が28日から予定されている関西電力は、
「この勢いのまま大飯に来てほしくない」(関西電社員)と戸惑いを隠さない。

北陸電力志賀原発(石川県志賀町)でも、敦賀原発同様に活断層が原子炉建屋の直下を走る疑い
が浮上している。現地調査は年明けにも行われる見通しで、調査団の判断が廃炉や経営問題に直
結するだけに「社内の雰囲気はかなり暗い」(北陸電社員)という。