水vs食物(リスク分散について)

野菜含め植物は、土壌中の硝酸態窒素を根から吸収して利用します。そのため、
肥料の中には硝酸態窒素を含むものが多くあります(ここで注意すべき点は、
化学肥料だけでなく、有機肥料であっても硝酸態窒素を含む、ということです)。

そして、それら硝酸態窒素が全て植物に吸収されればよいのですが、吸収され
きれなかった硝酸態窒素が地下水を汚染する場合があります。硝酸態窒素は大
腸菌等と異なり、煮沸しても濃縮するだけで滅失しません(この点、放射性物
質と似ています)。

その硝酸態窒素を飲料水経由で人間が摂取したら? 体内で腸内細菌により亜硝酸
態窒素に還元され、吸収されて血液中のヘモグロビンと結合してメトヘモグロビン
を生成し、酸素が運搬されなくなり酸素欠乏症となる可能性があります(成人は
このリスクは心配ないとされていますが)。さらに、2級アミンと結合して発癌性
物質のニトロソアミンを生じる、というのが定説です。

その昔、ワラビには発癌性物質のプタキロサイドが含まれている、しかしワラビ
由来で発癌するにはワラビを1トン食べなくてはならない、と聞き、誰が1トンも
ワラビだけ食べるんだ、と思いましたが、食物はこのように、いろいろ組み合わせ
ればリスクは分散できます。

しかし水は・・水道水だけ、(水道水がまずいから)特定のミネラルウォーター
だけ、という場合もあるでしょうから、リスクがあるのでは、と試しに購入した
のが上の画像のキットです。

おもちゃみたいですが、この中に試薬が入っていて、検体(この場合は水ですね)
を半分ほど中に入れ、3分ほどして変色した検体を目視で標準色と比較する、と
いうものです。原始的なようですが、計器にしようと思ったら価格の割に計測能
が低かったのでこれにしました。

ちなみに、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の項目の追加等に
ついて(第1次答申)平成11年2月 別添1 検出率が高い7項目に関する毒性評価
の詳細)」では、飲料水中の硝酸態窒素について10ppmを許容濃度としています
(筆者注:1ppm = 0.000001%)。

さっそく水道水を計測したところ、0.2から0.5ppmの範囲内かな? という微妙な
色具合でした。やはり水も、いろいろ組み合わせて摂取したほうが良いかもしれ
ません。よく飲む(暑い季節は持ち歩くので)ミネラルウォーターも計測してみる
つもりです。