高浜1、2号機延長認可 運転40年超、老朽原発で初 再稼働19年秋以降・規制委

(06/20 19:57 時事通信配信)

原子力規制委員会20日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)について、設備や
機器などの老朽化の評価や対策が実施されているとして、20年の運転期間延長を認可した。1号機は2034年11月、2号
機は35年11月まで運転できる。原子炉等規制法で原則40年とされている運転期間の延長認可は初めて。

実際の再稼働には新規制基準に合わせた設備の補強などが必要で、関電は19年10月以降の再稼働を目指している。

田中俊一委員長は20日の定例会合で「延長期間中にもいくつか老朽化の問題はあるので、必要に応じて検査を求める
など柔軟に対応してほしい」と述べた。

規制委は今年4月、古い原発に特有の非難燃性ケーブルの交換や防火シートによる難燃化などを含めた対応が定められて
いるとして、高浜1、2号機が新規制基準を満たしていると判断。老朽化対策の妥当性を別に審査していた。

規制委は関電が実施した特別点検をもとに、今後20年間の経年劣化の進み方や対策などを検討した。関電は、原子炉圧力
容器など材質がもろくなる重要機器の劣化度合いは、今後10年以内に原子炉内にある同じ材質の試験片を使って確認する
と説明。延長期間中に強度や性能が基準以下に劣化すると予測された電気ケーブルや蒸気系配管の一部は、監視を強化し
必要に応じて交換するなどとした計画を示し、規制委は妥当と判断した。