減損公表遅れで謝罪 原発64基の受注目指す 東芝

(11/27 21:10 時事通信配信)

東芝は27日、原子力発電事業に関する記者会見を開いた。米子会社ウェスチングハウス(WH)の原発事業で発生した減損損失を公表
していなかった問題に関して、室町正志社長は「適時、適切なタイミングで情報開示すべきだった。改めて深くおわびしたい」と謝
罪した。

WHをめぐっては、2012年度の減損処理について、東京証券取引所の適時開示基準に該当していたにもかかわらず、開示していなかった。
室町社長は「従来の姿勢を改め、私が先頭に立ち、積極的な対応を進める」と述べ、不正や隠蔽が続く企業体質の転換を図る考えを強
調した。

同時に、東芝は今後15年間で原発64基の建設事業受注を目指す方針も発表。世界全体では約400基の建設計画があり、志賀重範代表執行
役副社長は「世界的に原子炉がどんどん建っていく。非常に大きな期待がある」と述べた。

原子力事業全体では、18〜29年度に営業利益で平均1500億円を稼ぐことを想定。14年度の営業損益は29億円の赤字だったが、建設事業に
加え、運転や燃料、廃炉といった関連事業でも大きな成長を見込んだ。