大手電力、全社が経常黒字 震災後初、原油安で 9月中間

(10/30 19:04 時事通信配信)

電力10社の2015年9月中間連結決算が30日出そろった。原油安による燃料費の大幅な減少が利益を押し上げ、全社が経常黒字を確保
した。東日本大震災後の原発停止の影響が本格化した11年9月中間決算以降で、全社が経常黒字となったのは中間、通期とも初めて。
ただ、業績が原油価格に左右される状況は続いており、各社とも安定した収益基盤の確立が必要だ。

10社合計の燃料費は2兆3400億円強と、前年同期から約3割減少。原発を持たない沖縄電力以外の9社は、震災後の原発停止で火力発電
依存を強めた結果、燃料費が収益を圧迫してきたが、昨秋以降の原油安で収支が大きく改善した。

これに加え、関西電力は6月に実施した家庭向け電気料金の再値上げが利益を490億円押し上げ。北海道電力も昨年11月の再値上げが、
黒字転換の決め手となった。

九州電力は、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働で収支が110億円改善、黒字転換に貢献した。2号機も10月に再稼働したため、
通期では合計で800億円の改善効果を見込む。