泊原発で訓練、1万人参加 新オフサイトセンターで初 北海道

(10/21 11:45 時事通信配信)

北海道電力泊原発(泊村)で重大事故が起きたと想定し、道は21日、原発30キロ圏内の13町村などと合同で原子力防災訓練を実施した。
8月に新設されたオフサイトセンター(共和町)を使った初の訓練で、住民ら約1万人が参加。うち約800人はバスなどで実際に避難所に
移動した。圏内には国内有数のスキーリゾート、ニセコ町など多くの観光地がある。今回はホテルなどで従業員が宿泊客を避難させる
手順も確認した。

訓練は後志地方内陸部を震源震度6強地震が発生し、泊3号機の非常用炉心冷却設備が起動せず放射性物質が放出されたと想定。自衛隊
のヘリコプターや漁船を使い、孤立した住民の避難訓練も実施した。

対応拠点となるオフサイトセンターでは午前10時、国と道庁、圏内13町村をテレビ会議システムで結んだ全体会議を開催。原子力緊急事態
宣言が出され、5キロ圏内で健康上すぐに避難できない住民を放射線防護施設に退避させたことなどが報告された。高橋はるみ知事は会議で
「地域住民の安全確保を最優先に関係町村機関と協力し、避難に万全を期す」と述べた。

後志地方は特にオーストラリアなどからの観光客に人気が高い。高橋知事は来年度の訓練で、外国人旅行者を含めた形での避難訓練も検討
する方針。