3市町村で長期宿泊開始 対象住民過去最大 福島・南相馬など

(08/31 16:00 時事通信配信)

東京電力福島第1原発事故で一部が避難区域となっている福島県南相馬市と川俣町、全村避難の葛尾村で31日、避難指示解除に向けた
長期宿泊が始まった。政府は放射線量の低減などから可能と判断、原則3カ月間実施される。政府は今後、自宅に戻った住民らから課題
などを聞き取り、避難解除の可否を11月までに判断する。

対象は3市町村内に指定された避難指示区域のうち、原則立ち入り禁止の帰還困難区域を除いた4647世帯1万4255人(8月1日時点)で、
過去最大。このうち、30日までに約1割に当たる465世帯1265人が宿泊を届け出た。

3市町村のうち、川俣、葛尾の2町村では、昨夏に宅地周りの除染が一巡。平均空間放射線量は毎時約0.5マイクロシーベルトに半減した。
南相馬市は除染が今年7月末時点で26%しか完了していないが、その他の部分も自然減衰で放射線量が低減したと判断した。

政府は今後、宿泊世帯に線量計を配布するほか、生活相談員などを派遣し、住民の健康状態などを確認する。解除目標時期について、南相馬市
は2016年4月、葛尾村と川俣町が16年春と定めている。