巨大噴火未満の対応、不十分 川内原発、火山学者が指摘

(05/27 15:38 時事通信配信)

再稼働の前提となる審査を終えた九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)について、火山噴火予知連絡会の石原和弘副会長
(京都大名誉教授)は27日、千葉市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で講演し、「敷地に火砕流が到達しない場合でも原
発の作業を継続できるのか」と述べ、超巨大噴火(破局的噴火)未満の噴火への対応の検討が不十分だと指摘した。

石原氏は、九電が「川内原発から約50キロ離れた鹿児島県の姶良カルデラが噴火した場合でも、破局的噴火には至らず、火砕
流は敷地に到達しない」とした想定はおおむね妥当と評価。しかし、鹿児島市内を中心に大規模な被害が想定され、多くの住
民が避難して都市機能が停止する可能性を指摘し、「行政や交通、ライフラインが止まる中で、敷地に到達しないからといって、
原発の所員はとどまれるのか」と疑問を呈した。