「技術者の魂忘れている」 原子力機構に規制委員長

(05/26 20:22 時事通信配信)

原子力規制委員会は26日、高速増殖炉もんじゅ」(福井県)の点検漏れなど不祥事が続く日本原子力研究開発機構
児玉敏雄理事長を呼び、約1時間半にわたり公開で意見交換を行った。田中俊一委員長はもんじゅに関して、「立派な
看板だけ掲げているが、本当の技術者としての魂を忘れているのではないか」と厳しい言葉を投げ掛けた。

規制委側は「主な懸案事項」として、もんじゅのほか、試験炉などの老朽化への対応や、東海再処理施設(茨城県)に
貯蔵中の高レベル放射性廃液の処理などを提示し、児玉理事長の見解を求めた。

児玉理事長はもんじゅについて「改革の成果は出ているが、完成度は不十分。指揮命令系統をしっかりさせる必要がある」
と説明。しかし、未点検機器の評価完了時期などについては「いつという明言はできるレベルにない」と言葉を濁した。

また、老朽化に対しては「安全確保最優先の信念は揺らがない。限られた資源の中でリスクを分析して、残すものと廃止
するものを峻別して取り組む」と述べ、整理を進める方針を示した。