原発発電コスト、10円程度 従来比1円上昇、火力より割安 経産省試算

(04/24 21:46 時事通信配信)

経済産業省が、原発の発電コストを1キロワット時当たり10円程度とする新たな試算をまとめたことが24日、明らかになった。
原子力規制委員会が新規制基準を導入し、電力各社が巨額の安全対策費用を計上したため、従来の試算を見直した。この結果、
これまでの「8.9円以上」から約1円上昇した。

ただ、火力発電のコストと比べれば、まだ低い水準と見込んでいる。経産省は試算に基づき、原発の活用を続ける方針を堅持
する。

経産省は、2030年時点の最適な電源構成(ベストミックス)を決定する際の判断材料としたい考え。電源ごとの発電コストを
検証する有識者の作業部会で27日、試算を提示する。

東京電力福島第1原発事故後の11年末に行った前回試算と同様に、原発の建設費や事故時の損害賠償費用などを積み上げて発電
コストを算出した。

火力発電は従来、石炭が9.5円、液化天然ガスLNG)が10.7円としていた。円安で燃料の調達費用が上昇しているため、今回、
火力発電のコストも引き上げられ、原発より高い水準となる。