臨界事故後の廃棄物を焼却処理へ

(1/16 08:05 NHK配信)

茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」は、平成11年の臨界事故のあと、敷地内で保管している低レベル
放射性廃棄物などについて、来週にも焼却処理を始める方針を固めました。周辺住民の理解が得られたとして、臨界事故から
15年余りを経て初めて焼却処理が行われます。

平成11年9月、東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で、核燃料の製造過程で違法な作業を重ねた結果、核分裂
が連続して起きる「臨界」が発生し、作業員2人が死亡したほか周辺の住民などおよそ660人が被曝しました。

事故後、「ジェー・シー・オー」は低レベル放射性廃棄物などを敷地内で保管してきましたが、周辺住民の理解が得られたとして
今月19日にも新たに設置した炉で焼却処理を始める方針を固めました。「ジェー・シー・オー」は、核燃料加工事業の再開を断念
しており、臨界事故から15年余りを経て処理が進むことになります。

焼却処理では、臨界事故前に核燃料を精製する際に使用した油類を最初に焼却したうえで、作業服など臨界事故後に出た低レベル
放射性廃棄物の焼却を進めることにしていて、200リットルのドラム缶に換算しておよそ700本分を8年かけて処理する計画です。

「ジェー・シー・オー」は焼却施設には、排気用のフィルターを設け放射性物質が外部に漏れることないとしていて、来月以降、
焼却処理の結果を周辺住民に報告する予定です。