臨界事故15年を前に集会 教訓生かし脱原発訴え 茨城・東海村

(09/28 18:30 時事通信配信)

茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故から30日で15年になるのを前に、事故の教訓を生かし、原発の再稼働
を阻止しようと訴える集会が28日、同村で開かれた。

事故当時、村長として陣頭指揮に当たった村上達也さん(71)は「臨界事故のきちんとした原因究明や社会的問題が追究されず、東京電力
福島第1原発事故を招いた」と述べ、「安全神話」にすがっていた国などの姿勢を批判。「現政権のやり方では福島と同等の事故が起きるの
ではないか」と危惧した。

JCOなどに対し、健康被害の損害賠償を求めた裁判の元原告で主婦の大泉恵子さん(75)は「福島の人は普通の日常生活が無くなり大変な思い
をしている。原発を止めるのは今しかない」と訴えた。「臨界事故を語り継ぐ会」の相沢一正村議(72)は「原子力災害の大変な状況を訴え続
ける」と話した。

約350人の参加者は集会アピールを採択した後、脱原発を訴えて村内を行進した。臨界事故では作業員2人が死亡、地元住民ら660人以上が被曝した。