高浜原発、津波想定で計算ミス 再稼働審査遅れる見通し

(07/31 19:17 朝日新聞デジタル配信)

関西電力は31日、再稼働に向けた審査を受けている高浜原発3、4号機(福井県)について、想定する津波の計算にミスが見つかり、
再計算すると明らかにした。作業のため審査に遅れが出る見通しだ。

この日あった原子力規制委員会の審査会合で明らかにした。関電は高浜の津波想定を、周辺の海域にある断層が動くことや、陸上
や海底で地すべりが起きたと仮定し複数の高さを算出。このうち最も大きな値をとり、津波想定を最大5.7メートルとした。だが
データを入力する際に誤り、海底の地すべりが継続する時間を本来より短くして計算していたという。正しいデータで再計算すれ
ば、津波の高さがさらに大きくなる可能性がある。

関電によると、計算を依頼していた関連会社が23日、間違いに気づいた。これまでの審査を反映させた追加書類の提出が必要で、
その準備のために点検をしていたという。

高浜原発はこれまでに規制委の指摘を受けて津波の想定を高く見直したため、新たな防潮設備として取水口側で6.5メートルの防潮
堤を設置している。再計算で津波の高さが引き上げられれば、追加の対策工事が必要になる可能性がある。(川原千夏子)