【福島第1原発の現状】3号機建屋の線量減苦戦 核燃料取り出し遅れも

(07/29 12:33 共同通信配信)

東京電力福島第1原発3号機建屋の放射線量を除染などで下げる作業に苦戦している。思うように効果が上がっておらず、
2015年度前半に予定している核燃料プールからの使用済み核燃料の取り出しが遅れる可能性もある。

3号機建屋は、11年3月14日に水素爆発が発生。屋根などが吹き飛び、北西部分が崩落した。
東電は昨年10月、燃料取り出しに向け、むき出しになっている最上部の5階フロアで除染などを開始。床が損傷した部分
では高圧水でコンクリートの表面を数ミリ削る一方、損傷がない区域では遠隔操作の「除染ロボット」で瓦礫の撤去など
を進めた。また放射線の 遮蔽材として、床の一部に鉛の板を敷いた。

東電は当初、線量を除染前の100分の1以下に下げる目標を設定。特に人が作業する予定の区域は、遮蔽材の効果と合わせ、
毎時1ミリシーベルト以下を目指した。

しかし原子炉の南西側を今年5月に調査した結果、床の損傷が少なく、除染が比較的しやすいにもかかわらず、線量が除染
前の3分の1程度にしか下がっていなかった。

ほかに調査した13地点の多くでも効果は限定的だった。集めた汚染瓦礫に近く、作業前より3倍も高い約240ミリシーベルト
が計測された地点もあった。

目標を下回った理由について東電は「瓦礫撤去ができていない崩落部分からの影響が大きかった」と説明。想定より床の損
傷が激しかったことも要因とみられる。
燃料取り出しには、爆発でプールに落下した燃料取り扱いクレーンなどを新設しなければならない。こうした人が現場に入
る必要がある設置などの作業は、線量の低減が前提となるため、東電は遮蔽材設置や除染の作業を追加する方針。取り出し
の工程に与える影響も検討する。