地下水流入、減少確認できず バイパス開始2カ月 福島第1

(7/28 20:10 時事通信配信)

東京電力は28日、福島第1原発放射能汚染水の増加を抑えるため、建屋に流入して汚染される前の地下水をくみ上げて海へ放出する
「地下水バイパス」について、明確な効果が出ていないことを認めた。小林照明原子力・立地本部長代理が同日の記者会見で、「今は
建屋への効果は明確に見えていない」と述べた。
 
東電によると、地下水は原子炉建屋などに1日平均400トン流入し、汚染水増加の主因となっている。東電はバイパスによって流入量を
最大で同100トン減らせると説明し、5月に開始した。
 
2カ月が経過しても、汚染水の増加量が抑制される傾向は見えないが、小林氏は建屋と地下水をくみ上げる井戸の中間地点で、地下水位
が最大で10センチ低下していると説明。今後の流入量減少に期待を示した。ただ、流入量が同100トン減るためには、中間地点の水位が
数十センチから1メートル低下する必要があるという。