廃炉試験に活用 5号機原子炉を公開 福島第1

(02/26 19:27 時事通信配信)

東京電力福島第1原発では、1〜3号機が炉心溶融メルトダウン)を起こして核燃料が
溶け落ち、4号機も水素爆発で原子炉建屋が大破した。被害が少なかった5、6号機も廃
炉が決まり、溶融燃料の取り出しに向けた実証試験などに使われる。東電は26日、5号
機原子炉建屋も公開した。

5、6号機は1〜4号機の北側、やや高い場所にある。被災当時は定期検査中で、津波
浸水したが、非常用発電機が1台だけ使えたことなどから冷却を維持できた。

点検に使う扉から、5号機の原子炉格納容器の内側に入った。配管やポンプなどが複雑
に入り組み、核燃料を納めた圧力容器の一部が見えた。

格納容器を出て地下に降り、「トーラス室」に入る。格納容器の下部で、内部に水をた
めた巨大なドーナツ状の圧力抑制室が納められている。薄暗い中、銀色の配管があちこ
ちに延びていた。

1〜3号機では溶融燃料を冷やすため注ぎ込んだ水が高濃度汚染水となり、トーラス室に
たまっている。東電は昨年11月、1号機トーラス室にカメラを搭載した小型ボートを浮か
べ、遠隔操作で破損箇所を確認した。

第1原発の小野明所長は「5号機は2〜4号機とほぼ同じ設計。放射線量が低く作業を確認
できるのは大きい」と話した。