国連報告者は「多くの誤解」 福島原発事故勧告に反論 日本政府

(5/28 06:52 時事通信配信)

ジュネーブ】日本政府は27日、東京電力福島第1原発事故による住民らへの被曝問題に関する国連人権理事会
のアナンド・グローバー特別報告者の勧告に多くの誤解があるとして、文書で反論した。勧告の公表前に誤りを
指摘したものの、一部しか修正されなかったという。

特別報告者は、健康管理調査の対象者の拡大、低線量被曝による長期的影響などについて報告。この中で、「日本
政府は年間被曝線量が最大20ミリシーベルトまでなら居住しても安全と明言した」と主張した。しかし実際は、
そうしたことは認めていない。

また、特別報告者は日本政府の健康面への影響評価方法に疑問を呈した。しかし、日本政府は、国際的な安全基準
を勧告する国際放射線防護委員会(ICRP)の見解に従っており、問題はないとの立場だ。岡田隆ジュネーブ国際機関
代表部大使は人権理で「科学的、法的見地からの誤解を指摘したが、報告書には反映されていない」と遺憾の意を
表明した。