女川原発など再稼働方針 東通2号機計画継続 浪江・小高、福島事故で断念 東北電

(3/28 21:55 時事通信配信)

東北電力の海輪誠社長は28日午後、仙台市で記者会見し、福島県浪江町南相馬市で進めていた浪江・
小高原発計画の撤回を決めたことについて、東京電力福島第1原発事故の被害を受けた両市町議会による
白紙化決議など「地元の心情」に配慮したと表明した。同時に「原発は重要な電源で、一定以上必要だ
との考えに変わりはない」と強調。東日本大震災で停止が続く女川(宮城県女川町、石巻市)、東通
1号機(青森県東通村)の既設原発は早期の再稼働を目指し、東通2号機建設計画は見直さない方針を
明確にした。

海輪社長は会見に先立ち、福島県庁に佐藤雄平知事を訪ね、浪江・小高原発計画の取りやめを報告した。
同計画撤回について海輪社長は会見で、根強い反対論もあって、計画着手から約40年経過しても取得予定
民有地のうち約2%の買収ができていないと説明。漁業補償や環境影響評価などの手続きも必要で、あまり
にも時間を要するため、計画継続は「適当でないと判断した」と語った。

一方、東通原発2号機の建設計画に関しては、東通村の推進容認の姿勢も背景に地元調整の見通しも立ち
やすい状況にあると指摘し、計画を推進する方針を示した。