4号機の使用済み燃料プールの燃料棒取り出し!?と思ったら

「国と東京電力は、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールにある燃料の一部を7月に試験的に取り出す計画」

と、報道されましたが、取り出す予定の燃料棒は2本だそうです。

いや1本とか2本の問題ではなくて、例えば、

朝日新聞 5/27朝刊2面より
4号機の原子炉建屋から70〜80メートルの距離で毎時0.1ミリシーベルト(=10マイクロシーベルト)の空間線量」

70〜80メートル離れていてもこの線量。取り出すための重機は新しく入れるとしても、それまでにそんな重機を操作できるロボットが開発できるとは思えません。作業員の方にお願いするしかないでしょう。どうせなら担当大臣がすれば?と思いました。

それだけではなく、4号機使用済み燃料プールにある燃料は、現時点で1年6ヶ月しか冷却されていません。使用済み燃料棒を入れる「キャスク(ドラム缶みたいな形状の強靭な容器)」に入れるには、4から5年冷却しないと、燃料棒内の核物質崩壊熱が低下しないのです(キャスクに入れた後も冷やす必要があります)。遮蔽体である水がない場合の使用済み燃料棒の表面線量は、使用した期間や冷却した期間にもよりますが、1000シーベルト/毎時くらいになります。

・・と思ったら、5/28の東電記者会見で、取り出すのは「未使用の」燃料棒とのこと。東電側の説明では、未使用の燃料棒の表面線量は0.05ミリシーベルト(=5マイクロシーベルト)/毎時だそうです。それを共用プールに移し、損傷度合い等を調べるとのこと。でも危険な作業であることには変わりありません。