「炉心溶融」公表遅れ謝罪 東電幹部、新潟知事に 福島原発事故

(08/25 13:32 時事通信配信)

東京電力姉川尚史常務らは25日、新潟県庁で泉田裕彦知事と面会し、福島第1原発事故の際に炉心溶融
メルトダウン)が起きたことを伝えず、県に誤った説明をしたと謝罪した。

炉心溶融の公表遅れについて、姉川常務は「これまで十分な回答ができなかったことをおわびしたい」と
陳謝した。泉田知事は「5年間事実を言えなかったのは社内に言えない壁や仕組みがあるのではないか」と
指摘。県と東電が設置する合同検証委員会で、一連の経緯を明らかにするよう東電に求めた。合同検証委
の初会合は、今月末にも開かれる見通し。

東電は福島事故1週間後の2011年3月18日、泉田知事に県庁で状況を説明したが、炉心溶融の事実を伝えな
かった当時、東電柏崎刈羽原発新潟県)から説明に来た松本純一・福島第一廃炉推進カンパニー運営統括
部長は「会社から(炉心溶融を)伝えるなと指示を受けたことはないが、状況を十分分析し、炉心溶融
申し上げるべきだった。説明があいまい、不十分だった」と謝罪した。

知事は「どうしてこれまで言えなかったのか。国民に分かるよう総括してほしい」と求めた。

炉心溶融の公表が遅れた問題では、東電の第三者検証委員会が今年6月、当時の社長が「炉心溶融」という
言葉を使わないよう役員に指示していたと公表した。