セミパラチンスク写真展開催 核実験場閉鎖25年 東京夢の島

(8/21 14:39 時事通信配信)

太平洋の島国マーシャル諸島ビキニ環礁で1954年、米軍の水爆実験によって被爆したマグロ漁船を展示し核実験
の悲劇を伝える東京都江東区夢の島の「第五福竜丸展示館」で21日、「旧ソ連セミパラチンスク核実験場写真展」
が始まった。在日カザフスタン大使館の協力を得て10月末まで開催される。開会式でバウダルベック・イエルラン
駐日大使は「核の脅威と闘うため団結しなければいけない」と日本に呼び掛けた。

セミパラチンスクはカザフスタン北東部に位置し、独裁者スターリンの時代の49年にソ連が初めて原爆実験を行った
場所として知られる。91年に閉鎖されるまで450回を超える核実験が繰り返された。大使は「住民には(放射線の)影響
は何も知らされず、キノコ雲や空の色が変わる様子を見るため、実験のたびにわざわざ屋外へ出ていた住民も多かった」
ソ連政府の対応を批判。「カザフ国民に今も甚大な影響を残し続けている。150万人の生活が破壊され、広大な土地
が汚染された」と訴えた。

日本側からは川口順子元外相が出席し「広島も長崎もセミパラチンスクも被爆者が連帯を意識していくことが大事だ。
悲劇を繰り返さないよう粘り強い連帯の努力が必要だ」と応じた。写真展はセミパラチンスク核実験場閉鎖25周年を記念
して開かれている。