避難区域外の福島市も検証 原発事故の集団訴訟 福島地裁

(6/28 19:54 時事通信配信)

東京電力福島第1原発事故で居住地や生業などを奪われたとして、避難者ら約4000人が国と東電に原状回復や
損害賠償などを求めた訴訟で、福島地裁の金沢秀樹裁判長らが28日、避難指示区域外の福島市を現地検証した。
原告側弁護団によると、避難指示が出されていない地域の検証は初めて。

検証には原告や国、東電の関係者が同行。福島市仮設住宅や保育園、果樹園などを回り、原告が原発事故後の
生活の変化などを説明した。

果樹園で梨とリンゴを育てている阿部哲也さん(53)は、放射線による健康への不安を感じたり、風評被害で売り
上げが低下したりしているという。検証後、記者団に「目には見えないいろいろな苦労がある。 (検証結果を)判
決に結び付けてほしい」と語った。

検証は、原発事故による被害の立証に不可欠として原告が請求。国と東電は不要と主張したが、地裁が実施を決定
した。