川内原発許可取り消し求め提訴 規制委の火山評価「不合理」 福岡地裁

(06/10 11:05 時事通信配信)

九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働を認めた原子力規制委員会の新規制基準をめぐり、
「火山の影響評価が不合理だ」などとして、鹿児島など10都県の住民33人が、規制委の設置変更許可の取り消し
を求める訴訟を福岡地裁に起こすことが10日、分かった。弁護団が同日、東京都内で記者会見し、訴状を郵送し
たと発表した。新規制基準での許可取り消し訴訟は初めて。

別の周辺住民らは2014年、新規制基準でも安全性は確保されていないとして、九電に運転差し止めを求める仮
処分を申請。しかし、昨年の鹿児島地裁に続き、今年4月に福岡高裁宮崎支部も退けた。

支部は決定で、「新規制基準には高度な合理性がある」と認める一方、火山に対する安全性の検討に用いた
火山影響評価ガイドは「噴火を的確に予測できることを前提としており、内容は不合理だ」と言及していた。

住民側は同支部の指摘を基に、規制委の許可は違法だと主張している。

規制委は14年9月、川内1、2号機が「新基準を満たす」と判断。1号機は昨年8月、2号機も同10月に新基準の下で
初めて再稼働し、国内の原発で唯一運転している。

原子力規制庁の話 訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい。