志賀原発に「活断層」報告 1号機下など、再稼働難しく 規制委、審査で参考

(04/27 11:34 時事通信配信)

原子力規制委員会は27日、北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の原子炉建屋下などに活断層があるとする専門家調査団
の評価報告書を受け取った。原発の新規制基準では、原子炉建屋などの重要施設は活断層の上に設置することが認められて
いないため、再稼働は難しく、再稼働は難しく、廃炉を迫られる可能性がある。

敷地内に活断層があるとの評価書が規制委に提出された原発日本原子力発電敦賀原発福井県敦賀市)、東北電力東通原発
青森県東通村)に続き3カ所目。重要施設下に活断層があるとの評価は敦賀原発に続き2カ所目となる。

調査団は志賀1号機の原子炉建屋下にある断層「S-1」の一部を「活断層と解釈するのが合理的」と判断。2号機の冷却用海水を
取り込む重要配管の下にある断層「S-6」やそれとつながる「S-2」も活断層の可能性があるとの見解を示していた。活断層
将来動くため、その上に重要施設があれば、安全確保に問題が生じる。

調査団の評価書は再稼働の前提となる審査で重要な知見の一つとして参考にされる。ただ、S-6などの断層は地表までずれが及
んでいないといい、安全への影響は規制委が判断する見通し。

調査団は今回の評価が限られた資料などに基づいているとして、敷地内外の断層のデータ拡充を求めた。田中俊一委員長は「事業
者から提示してもらい、最終的な判断をする」と述べた。

北陸電は敷地内の活断層の存在を否定。1、2号機の再稼働を目指す考えを変えていない。2014年8月に2号機の再稼働を審査を申請
していた。敷地内活断層の調査で結論が出ていなかったため、審査は事実上中断していた。再開しても議論が長引く可能性が高く、
最終的な結論が出るまでに時間がかかるとみられる。