解除後の処分費全額負担 指定廃棄物解消向け 政府

(01/29 12:32 時事通信配信)

政府は29日、東京電力福島第1原発事故に伴う指定廃棄物の放射性濃度が基準を下回った場合、指定解除したものを自治
が処分する費用の全額を負担する方針を固めた。東日本大震災から約5年がたっても12都県で大量に保管された指定廃棄物
の処理を促進する。
茨城県で近く開催する関係市町長会議で、自治体と協議の上で解除するなどの具体的なルール案を初めて示す。

12都県の保管量は約17万トンに上り、環境省は宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で、処分場を1カ所ずつ新設する方針。
しかし住民らの反発が強く、建設のめどはたっていない。一方で全国的に濃度が減衰したものもあり、地域の意向や保管
状況を踏まえた新たな対応に乗り出す。

来月4日前後に茨城県内で一時的に指定廃棄物を保管する14市町長を対象にした会議を開き、当面の間、現在の場所に置き
続ける「分散保管」を容認する方針。丸川珠代環境相は29日の記者会見で、同県内の廃棄物は比較的濃度が低く、県管理
施設など屋内に保管されているケースが多いことを念頭に「他県と状況が異なる」と強調した。

将来的に濃度の高いものを1カ所に集約する可能性は残るが、分散保管したまま解除を進め、同県内の既存のごみ処理施設で
処分を進めてもらう考えだ。