核物質検査法人で情報流出か 「機密漏れなし」と報告せず

(01/22 18:26 時事通信配信)

原子力発電所や再処理工場などに保管されている核物質の管理状況などを検査する公益財団法人「核物質管理センター
(東京都台東区、村上憲治理事長)は22日、同法人の六ケ所保障措置センター(青森県六ケ所村)のパソコン(PC)で
昨年8月と同9月に意図しない外部との通信があったと発表した。核物質管理センターは「当該PCには、核物質防護その他
の機密情報は含まれていない」と説明する一方、昨年8月以前の情報流出の可能性について調査している。

同センターの内規では、情報流出の恐れがある場合は原子力規制庁への報告が義務付けられているが、担当理事は報告を
怠っていた。

同センターによると、同センターが情報セキュリティー会社の常時監視サービスを導入した初日の昨年8月20日、意図しな
い外部通信が検出された。通信は遮断されたが、調べたところ昨年4月に購入した市販のハードディスクに入っていたファ
イル共有ソフトが通信を試みていたことが分かった。

また同9月2日と11日には計43回にわたり、保障措置センターの業務用PCから中国に向け通信が行われていたことが判明。
保障措置センター検査課の40代男性職員が無料ソフトを入れた際、気付かずに同時にインストールされた中国製ファイル共有
ソフトによるものだった。

2件の不正アクセスは、情報管理責任者の横田康弘理事に報告されたが、横田理事は「通信量が少なく、セキュリティー上の
脅威はない」と判断。内規に反して村上理事長や原子力規制庁に報告していなかった。