高浜原発再稼働認める 福井地裁「新基準は合理的」 3号機、1月下旬起動へ

(12/24 18:36 時事通信配信)

関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた仮処分について、福井地裁は24日、関電の異議を認め、
取り消す決定をした。林潤裁判長は、原発の新規制基準を合理的と判断し、「安全性に欠ける点があるとは言えない」と再稼働
を事実上認めた。仮処分を申し立てた住民側は決定を不服として、年内に名古屋高裁金沢支部保全抗告する。

取り消しで差し止めの効力は失われた。高浜3、4号機は原子力規制委員会の審査が終了し、福井県高浜町は再稼働に同意して
いる。関電は25日から3号機に核燃料を搬入し、来年1月下旬に原子炉を起動させる予定で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島
薩摩川内市)に続き、全国2番目の再稼働となる公算が大きくなった。

福井地裁では樋口英明裁判長(当時)が今年4月、「新規制基準は緩やかにすぎ、合理性を欠く」と再稼働を差し止める仮処分決定
出していた。
これに対し、林裁判長は「新規制基準の内容や、規制委の判断に不合理な点はない」と判断。想定される地震の揺れ(基準地震動)
について「規制委で専門的・技術的知見に基づき、中立公正な立場で審査する枠組みが採用されており、内容は合理的だ」と認めた。
耐震安全性や使用済み燃料などについても、規制委の判断を合理的とした。

林裁判長は、新規制基準に合理性が認められるのは、原子力事業者が常に最新の安全性を追求し、規制委が独立して審査する枠組み
が機能することが前提だと指摘した。
その上で「福島原発事故の深い反省と、『安全神話』に陥らない真摯な姿勢で、高いレベルの安全性を目指す努力の継続が望まれる」
と述べ、避難計画を含めた重層的な対策を関電や国、自治体に求めた。