核燃サイクルへの政府関与強化 認可法人新設、拠出金方式に

(11/28 08:52 時事通信配信)

経済産業省は28日までに、原発から出る使用済み核燃料の再利用を目指す「核燃料サイクル」の見直し案の大枠を固めた。
政府が監督する認可法人を新設し、電力業界が出資する日本原燃青森県六ケ所村)に再処理事業を委託することが柱。
政府関与を強めることで、2016年4月の電力小売り全面自由化で電力大手の経営環境が悪化しても、事業を安定的に推進
できる仕組みを整える。

経産省は30日の有識者作業部会で、見直し案取りまとめに向けた大詰めの議論を行う。これを基に、来年の通常国会に関連
法の改正案を提出する方針だ。

原発を持つ電力会社は、再処理費用を外部に積み立て、日本原燃への支払時に取り崩している。今後は原発の発電量に応じ、
新設する認可法人への資金拠出を各社に義務付ける。再処理で取り出したプルトニウムなどを加工するため、原燃が建設して
いるウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)工場の運営費用も拠出金で賄う。

解散に国の許可が必要な認可法人が事業主体になることで、電力各社が経営判断核燃料サイクルから撤退できなくなる。
拠出金方式への移行は、自由化後の競争で電力会社が倒産しても、積立金が回収不能になる事態を回避するのが狙いだ。