汚染水濃度110万ベクレル 移送漏洩、港湾も値上昇 福島第1

(05/30 05:20 時事通信配信)

東京電力福島第1原発で、移送中の放射能汚染水がホースから漏れた問題で、東電は30日、汚染水中に含まれるストロンチウム90
などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり110万ベクレルに上ったと発表した。漏れた汚染水の一部は港湾に排水しており、
漏洩が判明した29日は港湾3カ所で海水の放射性物質濃度最高値を更新した。

東電によると、ホースには縦約1センチ、幅約0.2センチの穴が開いており、そこから汚染水が漏洩。セシウム134と137は同274ベク
レル含まれていた。東電が地下水を海に放出する際の基準値はセシウム134と137で同2ベクレル未満、ベータ線を出す放射性物質
同5ベクレル未満。

29日に採取した港湾内海水でもベータ線を出す放射性物質の濃度が相次ぎ上昇していることが判明。1号機と2号機の取水口でそれ
ぞれ同290ベクレルと240ベクレルを計測したほか、港湾中央部付近でも同190ベクレルが検出され、いずれも過去最高値だった。

漏れた汚染水の移送は27日から行われており、29日午前までに計236トンがホースの中を流れているが、漏洩量は分かっていない。
東電は外洋とつながる港湾の出口付近で海水の放射性物質濃度に大きな変動は見られないとして「外洋への影響はないと考えている」
と話している。