別の3町議も原発工事受注 福井・高浜、計4億5000万円

(3/22 10:00 中日新聞配信)

再稼働の手続きを進める関西電力高浜原発3、4号機が立地する福井県高浜町で地元町議の会社が原発関連工事を多額受注
していた問題で、磯部武史副議長(51)ら別の3町議が関係する会社も福島第一原発事故後に関電や関連会社が発注する
工事を受注していたことが本紙の取材で分かった。3社は2011年4月〜14年9月の3年半に、少なくとも89件、金額にして4億
5千万円分を受注していた。

高浜町議会は20日の全員協議会で再稼働に同意している。

県の工事経歴書によると、磯部氏が12年4月まで役員を務め、現在は社員として勤務する電気工事会社「若狭技術サービス」
は11〜13年度の3年間に関電の子会社「関電パワーテック」が発注した放射線測定機の定期修繕工事(1957万円)など17件、
9773万円分を受注していた。年間の総工事高に占める割合は25%前後だった。

磯部氏は本紙の取材に、公正を期すため自ら役員から社員への降格を申し出たと説明。「自分の会社のために再稼働に賛成
したことはまったくなく、町民の声を聞いて判断した」と話した。

井ノ元康夫町議(54)が勤める建設会社「石橋工業」も関電が11〜13年度に発注した高浜3号機の蒸気圧力弁の点検架台修繕
工事(479万円)など52件、3億2569万円分を受注していた。井ノ元氏も10年8月ごろに役員を退任し、今は社員の立場で働い
ているため「支援者も理解してくれている」と述べた。

一方、横田則孝町議(53)が社長を務める電気工事会社「ヨコタ」は、高浜原発の原子炉保護制御装置の点検工事(200万円)
など、13年9月期(12年10月〜13年9月)と14年9月期に、関電の下請け会社から20件、3021万円分を受注していた。高浜原発
12年2月から4基すべてが運転を停止しており、13年9月期の事業報告書には「高浜原発の停止により大きな影響を受けた」など
と記載されていた。

横田氏は本紙の取材に「指摘を受けている点は理解しているが、申し上げることはない」と話した。

高浜町議は14人で、既に明らかになっている粟野明雄町議(65)を含め4人が経営や雇用関係を通じて原発関連の企業と関係して
いたことになる。