汚染水増加抑制策、想定変更 「サブドレン」稼働見通せず 福島第1

(10/27 21:42 時事通信配信)

東京電力福島第1原発で、放射能汚染水増加抑制策として、1〜4号機周辺の井戸から地下水をくみ上げて海に放出する計画について、
東電は27日、当面は実行しない方針を明らかにした。これまでは11月から始めるとの前提で汚染水処理計画を立てていたが、地元の
同意が得られず、事実上断念した形だ。

東電によると、1〜4号機周辺の井戸は「サブドレン」と呼ばれ、同原発事故前までは稼働していた。事故後は放射性物質で汚染され
るなどしてくみ上げられなくなったため、地下水が建屋の亀裂などから流入して汚染水増加の要因になった。

東電の試算では、サブドレンが稼働すれば、地下水流入量を1日200トン減らすことができ、これまでの半分以下にできるという。ただ、
放射性物質が含まれているため、海へ放出する計画に対して漁業者らから反発の声が上がっていた。

東電は今秋、汚染水から放射性物質を大幅に減らす装置「ALPS」(アルプス)を増強して処理を加速する方針。ただ、サブドレンが稼働
しない場合、ALPSで未処理の汚染水が2014年度末時点で10万トン以上タンクに残る見通しだ。