東電元会長ら3人起訴相当 津波襲来「可能性を認識」 福島原発事故で検察審

(07/31 13:37 時事通信配信)

東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑で告訴・告発され、不起訴処分となった勝俣恒久元会長をはじめとする東電
旧経営陣3人について、東京第5検察審査会は31日までに、起訴すべきだとする起訴相当の議決をした。また、元常務1人について不起訴
不当とした。議決は23日付。

他に起訴相当とされたのは、武藤栄、武黒一郎両元副社長。今後、東京地検が再捜査し、改めて処分を決める。再び不起訴となっても、
起訴相当の3人については、検審が2回目の審査で起訴すべきだと議決すれば、検察官役の指定弁護士により強制起訴される。

検審は議決理由で、3人が福島第1原発に最大15メートル超の高さの津波が押し寄せる可能性があるとの報告を受けていたと指摘。勝俣元
会長について「津波の影響を知りうる立場・状況にあり、当時の最高責任者として、各部署に適切な対応策を取らせることができた」と
述べた。元副社長の2人についても、当時の立場を踏まえた上で、「適切な措置を指示し、結果を回避することができた」と判断した。

福島県民ら約1万4000人が参加する福島原発告訴団が2012年6月、勝俣元会長ら事故当時の東電経営陣ら33人を業務上過失致死傷容疑など
で告訴・告発。東京地検は13年9月、他の市民団体などが告訴・告発した菅直人元首相ら政府関係者を含む計42人全員を不起訴処分として
いた。