汚染水抑制、効果見えず 開始1カ月の地下水バイパス 福島第1

(06/27 20:29 時事通信配信)

東京電力福島第1原発放射能汚染水が増加し続けている問題で、東電は27日、抑制策として5月から始めた「地下水バイパス」と
呼ばれる対策の効果が確認できていないと明らかにした。

地下水バイパスは、高濃度汚染水がたまっている1〜4号機の原子炉建屋などに地下水が入る前に、一部を井戸でくみ上げて海へ放
出することで、汚染水増加の抑制を目指す対策。東電によると、5月21日から放出を開始し、これまでに1日平均約300トンの地下水
をくみ上げ、計8635トンを排水した。

しかし、原子炉建屋近くに掘った3カ所の観測用井戸では、地下水バイパス開始以降も降雨があった日に水位が上昇する傾向が顕著で、
明確に水位が下がっていることは確認できなかった。東電福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏代表は記者会見で、「ゆっくりとや
りながら効果を待つ」と述べ、数カ月程度の時間が必要との見方を示した。