慰謝料増額、高齢傷病者のみに 月2万円、東電が回答 福島・浪江町

(6/26 15:22 時事通信配信)

福島県浪江町の住民約1万5000人が東京電力福島第1原発事故の慰謝料増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電が避難生活
への適応が困難だとして75歳以上の傷病者に限り、現行月10万円の精神的慰謝料を月2万円増額すると文書で回答していたことが26
日、分かった。

回答は25日付。支払いの対象期間は2011年3月〜12年3月末の13カ月間。

浪江町ADRをめぐっては、原子力損害賠償紛争解決センターが3月、全申立人を対象に精神的慰謝料を月15万円に増やすほか、75歳以
上に対しては、さらに3万円上乗せするという和解案を浪江町と東電に提示。町側は既に受諾すると同センターに回答していた。東
電は高齢傷病者のみの増額にとどめた理由を「浪江町など一部地域に住んでいたことを理由に、一律で増額することは賠償指針との
整合性を欠く」と説明している。