楢葉町 来春以降住民帰還目指す

(5/29 14:12 NHK配信)

東京電力福島第一原発の事故で町のほとんどが避難区域に指定されている福島県楢葉町は、来年、平成27年の春以降に住民の帰還を
目指すという見通しを初めて示しました。

これは29日、いわき市楢葉町の松本幸英町長が記者会見して明らかにしました。

楢葉町原発事故の影響で町の大部分が早期の帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に指定されていて、およそ7500人の住民が今
も避難しています。

29日の会見で松本町長は、除染や生活インフラを回復する取り組みが一定程度進展していることや、避難生活の長期化が望ましくない
ことなどを理由に、来年、平成27年の春以降に住民の帰還を目指すという見通しを示しました。

町が住民の帰還の見通しを具体的に示したのは初めてです。

そのうえで帰還の準備を進めるため、来月1日から役場の一部の機能を元の庁舎に戻すことや、町内での住民の長期宿泊の実施を国と
調整するとしています。

住民の帰還に向けては原発のトラブルや放射線に対する不安の払拭、それに病院や商店など住民の生活基盤の再開をどう進めていくか
が課題となります。町は今後取り組みの進捗状況をみながら、住民の意見を聞いたうえで最終的な帰還時期を決めたいとしています。