「厳格審査」委員再任せず 原子力規制委、2人交代へ 政府

(05/27 18:47 時事通信配信)

政府は27日、原子力規制委員会国会同意人事案を示し、9月に任期切れとなる委員2人を再任せず、交代させる判断をした。退任させる
地震予知連絡会会長の島崎邦彦委員は電力会社に厳しい姿勢で原発再稼働の前提となる安全審査に臨み、元国連大使の大島賢三委員は
原発の専門家ではない」との指摘を受けていた。

島崎氏は安全審査で、地震の揺れの想定について電力各社の甘さを相次いで指摘。審査を申請した各社は想定を見直さざるを得なくなっ
た。当初半年程度とされた審査期間は大幅に長引き、原発は1基も再稼働していない状況が続く。

電力各社は島崎氏への不満を募らせ、自民党からは「バランスの取れた結論を出せる人材をそろえるのが大事」(幹部)として、公然と
交代を求める声が上がっていた。

大島氏は国際連携や核安全保障を主に担当している。法律では、原子力安全に関する専門的知識が委員の要件となっており、「経歴から
専門的知識はなく、違法な委員だ」(自民党衆院議員)と指摘されていた。