地下水位上昇、報告遅れ 規制委員長「東電、危機感ない」 福島第1の汚染水流出

(7/31 13:34 時事通信配信)

東京電力福島第1原発放射能汚染された地下水が海に流出した問題で、東電が29日に開か
れた原子力規制委員会の検討会の際、地下水位が上昇しているデータを把握しながら報告
していなかったことが31日、分かった。規制委の田中俊一委員長は同日の定例会合で、
「東電は危機感がまったくない」と非難した。

規制委によると、29日午前に開かれた同原発の収束作業をめぐる専門家検討会で、東電側は
地下水位を基準点から2.5メートル上まで来ていると説明。この水位を前提に、汚染された
地下水の漏出防止が議論された。

ところが、東電は同日夕方の会見で、水位上昇の値を2.8メートルと説明。午前中に把握しな
がら規制委に報告はなく、事務局の原子力規制庁の担当者は翌30日午前に東電側に問い合わ
せて、地下水位の上昇を確認した。

規制庁に対し東電側は、資料の整理が終わっておらず「タイミングを逸した」と説明したと
いう。