東通原発調査「全うしたい」 「資質問われる」に反論 佐藤教授

(3/28 13:41 時事通信配信)

東京都武蔵村山市の掘削調査現場で今年2月に「立川断層帯」の断層を確認したと間違った発表を
行った東京大地震研究所の佐藤比呂志教授は、原子力規制委員会の調査団メンバーとして昨年12月、
東北電力東通原発青森県東通村)の敷地内の亀裂(破砕帯)を調べていた。佐藤教授ら外部専門家
4人全員が活断層と判断し、「地層内部に地下水が入り膨張した」と主張する東北電力と対立している。

佐藤教授は28日の記者会見で、「電力側から専門家としての資質を問われるのではないか」との質問
に対し、「天然物と人工物の見分けもつかないのかという反発が感情的にはあるかもしれない」と述
べた上で、「断層かどうかは総合的に判断している」と強調した。

さらに、「原子力規制委員会からやめろと言われれば(調査団の)職を辞したいが、今のところは
責任を全うしたいと考えている。専門家としての資質をこの(掘削調査の)事例で判断するのはいかが
なものか」と述べ、立川断層帯は周辺住民の関心が高いことを踏まえ現場公開を急いだことが拙速な
発表に結び付いたと説明した。