海水注入「もったいない」 東電本社、廃炉恐れ 吉田所長は反論・福島原発事故

この記事を読んで、療養中の吉田前所長にぜひとも回顧録(タイトルは何でも
良いですが)を出して欲しいと思ったものでした。筆者の家族(応用物理学会会員
ですが原子力・核物理学が専門ではありません)が当時、「廃炉せざるを得なくなっ
てしまうから海水は入れたがらないだろう」と言っていましたが、本気にはしてい
ませんでした。まさか本当だったとは・・。

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(2012-08-08 17:39 時事通信配信)

東京電力福島第1原発事故直後の昨年3月13日、危機的状況にあった2号機原子炉を
冷却するため海水注入を準備していた同原発吉田昌郎所長(当時)に対し、本社
側が「材料が腐っちゃったりしてもったいない」などと指摘していたことが8日、
東電が公開したテレビ会議の映像で分かった。

圧力容器などが海水の塩分で腐食し、廃炉になるのを恐れたとみられる。東電は6月
に公表した社内調査の最終報告で「本店対策本部を含め、事故収束に向けた対応を
していた」として、海水注入をためらったとの見方を否定していた。

映像によると、13日夜、東電本社で復旧計画の策定を担当する復旧班の人物から
「海水からいきなりやるふうに聞こえていて」と疑問の声が上がった。肩書や名前
は明らかにされていないが、この人物は「こちらの勝手な考えだと、いきなり海水
っていうのはそのまま材料が腐っちゃったりしてもったいないので、なるべく粘って
真水を待つという選択肢もあると理解していいでしょうか」と尋ねた。

これに対し、吉田所長は「今から真水というのはないんです。時間が遅れます、また」
と強調。「真水でやっといた方が、塩にやられないから後で使えるということでしょ」
と問い返した。
さらに吉田所長は「今みたいに(冷却水の)供給量が圧倒的に多量必要な時に、真水に
こだわっているとえらい大変なんですよ。海水でいかざるを得ないと考えている」と断言した。
復旧班の人物は「現段階のことは了解しました」と了承したが、この後も復旧班から
「いかにももったいないなという感じがするんですけどもね」と苦笑交じりの声が漏れた。

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