「炉心溶融」不使用は隠蔽 東電社長、公表遅れ謝罪 福島原発事故

(06/21 23:45 時事通信配信)

東京電力の広瀬直己社長は21日、本社(東京都千代田区)で記者会見を開き、福島第1原発事故で原子炉内の
核燃料が溶け落ちる「炉心溶融メルトダウン)」の公表が遅れた問題について、「社会の皆さまの立場に
立てば隠蔽ととらえられるのは当然であり、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

東電が設置した第三者検証委員会(委員長=田中康久・元仙台高裁長官)は16日、当時の清水正孝社長が炉心
溶融という言葉を使わないよう指示していたなどとする報告書を公表していた。

広瀬社長は自身の認識を問われると「隠蔽です」と明言した。さらに「口止めに当たるような指示があったの
は痛恨の極みだ。公表を控えてしまったことが特に重大だ」と述べた。福島県新潟県を訪問し、謝罪と説明
をする意向も示した。

また、新潟県の技術委員会に対して「炉心溶融の定義がない」などと誤った説明をしていた問題について、東電
は責任を明確化するために広瀬社長を減給10%(1カ月)、姉川尚史常務は同30%(同)の処分にしたほか、技術
委の対応に当たった社員1人を厳重注意とした。