原発事故の指定廃棄物最終処分場、調査着手できず 降雪時期へ


(10/31 10:12 河北新報配信)
 
東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省は30日、県内3候補地のうち加美町田代岳で
現地調査を試みたが、住民の抗議を受けて作業着手を見送った。31日は現地に入らないと町に伝えたため、現地調査をめぐる
「攻防」は11月に持ち越しとなった。10月最後の現地入りとなった30日午前11時、候補地から1.5キロ手前の町道に職員ら5人
が到着。環境省東北地方環境事務所の東利博保全統括官は「雪が降る前に調査したい」と協力を求めた。

猪股洋文町長は、29日に仙台市であった町と環境省との意見交換会を踏まえ「今後も意見交換会を継続して別の解決策を提案
する。それまで調査は中止だ」と拒否。丸川珠代環境相宛てに調査中止を求める要請文を提出する考えを示した。

環境省が現地調査を試みた昨年10月とことし8月はそれぞれ2、3日で一時撤退したが、今月6日以降は「当面、毎日入る」と積極
姿勢に転じた。今月の現地入りは30日で11日目だが、事態を打開できずにいる。調査着手のタイムリミットとする降雪の時期が
近づく。田代岳では昨年、11月14日に積雪が記録された。

東統括官は「全ての調査を終えるためには、11月になると厳しくなるのではないか」との見通しを示す。同省は31日と11月1日は
現地入りせず、2日に試みる方針。