賠償完全実施、全原発廃炉を 広瀬東電社長に要望書 佐藤福島知事

(2012-10-31 11:22 時事通信配信)

福島県佐藤雄平知事は31日、県庁を訪問した東京電力の広瀬直己社長に対し、福島第1原発事故に伴う損害
賠償の完全実施や県内の全原発廃炉などを求める要望書を手渡した。広瀬社長は「重く受け止め、全社一丸で
取り組む」と述べたものの、明確な回答は避けた。
佐藤知事は、広瀬社長に「原子力災害の原因者としての責任を最後まで完全に果たすべきだ」と強調した上
で、東電の対応について「不十分と言わざるを得ない」と批判。要望書で(1)損害賠償の完全実施(2)除染の
徹底(3)事故収束と廃炉(4)県の復興・再生への取り組み―の4点の実行を迫った。
広瀬社長は終了後、記者団に対し、原発廃炉について「今の段階では未定」と改めて慎重な姿勢を表明。
除染に関しては「東電も汗をかかないといけない」と語り、社員の除染参加を拡大する方針を示した。